８１　腹部についての症状（腹がふくれる）

腹が膨れるのに二種類あります。外側が膨れるのと、内部から膨れるのとです。外側が膨れるのは、腹の皮下脂肪が増えて膨れるので、中年の肥満の特徴といえます。これは、太りすぎいう問題はあるにしても、あまり病的な意味はありません。それに対して、内部から膨れるのには、いろいろの病気の可能性があって重要です。そこでまず、病的な意味のない外側の膨れと、病的な意味のある内部からの膨れとを区別しなければなりません。両者の区別は簡単で、腹壁の膨れ（肥満）では、横に走る深い溝のような皮膚のひだのなかに埋没してしまいます。さて、腹が内部から膨れる場合について、その原因を大きく４つに分けることができます。それは、�@胃腸の内容物が増えたため�A器官のどれかが大きくなったため�B腹の中に腫瘍ができたため�C腹水がたまったため。これらの原因の違いにより、膨らみ方の様態にも若干の違いはあります。